少女趣味こうなあ 長屋版 二
モーツアルト 大木 実
死ぬということは
モーツアルトを聴けなくなるということだ
アインシュタインがそう言ったそうだ
その本を僕は読んでいないので
言いかたが違っているかもしれない
生きているということは
モーツアルトを聴けるということだ
何を聴こうかと選ぶに迷い
今夜もひとときひとり聴く
この深いよろこび
この大きなしあわせ
生きているあいだ 生きているかぎり
ご隠居 熊さんと虎さんが、みなの長屋信仰談義も終わり、暇を持て余しているので、少女趣味こうなあに出ることになりました。
熊さん 私と虎さんで、詩を紹介していきます。って、虎さんに詩がわかるのかなあ。
虎さん わかるわからんは、学校の先生でもないから置いといて、なんか好きだなあと思う詩を載せていきましょう。
今月は、大木実さんのモーツアルトという詩です。大木さんは、一九一三年生まれ、一九九六年に亡くなりました。
熊さん 谷川俊太郎さんの「生きる」という詩の中の、
生きているということ/いま生きているということ/それはミニスカート/それはプラネタリウム/それはヨハン・シュトラウス/それはピカソ/それはアルプス/すべての美しいものに出会うということ を、思い出します。
虎さん すべての美しいものの中に、ミニスカートが入っているのが僕は好きだねえ。
熊さん はいている人にもよるんと違うか。
ご隠居 ピッピー。教育的指導。趣旨が違ってきてるぞ。
虎さん 今硫化水素とやらで自殺する人が増えているが、その人たちにも聞いて欲しいね。
熊さん 生きているということは、○○ができるということだ。ご隠居さん先に言っておきますが、○○は変な意味ではありませんよ。その○○にあたるものを探すのが、生きている私たちの楽しみでもあり、使命でもあると言うことなのだと思うのですよ。
虎さん きれいにまとめたな。